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×マン 

「×マン(=倍マンと読む)」シリーズは、同種の様々な素材のユニットで身体を覆うスーツを装着、或いはインスタレーション・パフォーマンスにより身体における五感を拡張するスーツ型作品群である。
現代の技術と身体感覚の総合から新たな身体イメージの獲得を目指す。
2013年以降の「×マン」は、我々の空間認識の大部分を占める可視域の外の「層」に着目し、スーツを通して身体に生々しくフィードバックさせる作品を制作している。

×マン antenna - microwave -


膨大な電磁波が飛び交う我々の生活空間において、通常は意識されることのない電磁波の振る舞いを、モーターの振動と高輝度LEDの発光により、全身で体験できるスーツ型の作品。
普段過ごしている日常空間で着用すると、不可視な電磁波のエネルギーをボリュームとして経験でき、新たな身体イメージを得ると共に、同一空間でありながらパラレルな空間の「層」の広がりを感じられる。


共同プロジェクト:三谷友彦(京都大学 生存圏研究所 准教授)、井上高志(井上兄弟社)

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×マン solar


全身をフレキシブルソーラーパネルで覆い尽くされた、インスタレーションパフォーマンス作品。
身体を91ユニットに分割されており、光線が各ユニットに照射されるとそのユニット部位の名称を下部台座に設置されているスピーカーより発声される。

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×マン vibration


スーツ1着につき歩数計(スーツ外側)と振動モーター(スーツ内側)が96個ずつ取り付けられている。仕組みは歩数計が1カウントすると振動モーターが0.6秒間振動する。
体験者は、自身の全身体の動きを振動としてフィードバックされるがこの時、意識的でない身体動作も同時に体験されマッサージ効果のような感覚で新たな身体イメージの獲得が可能となる。
文化庁メディア芸術祭アート部門 優秀賞受賞作品

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×マン stepping


全身に304個の歩数計を張り巡らせたスーツと向かい合うように吊るされた同じ個数の歩数計を配列させたプレート。
作家自身がスーツを着込み展示期間中ひたすら歩き続け、身体部位の同じ場所に配列された歩数計をモニターし続ける。
歩行している時の身体背面への意識や全身への意識が可能かという自身への投げかけからうまれた。

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×マン stethoscope

聴診器が取り付けられたスーツを装着し、リアルタイムの作家自身の体内の音をアンプにより増幅させて大型スピーカーから出力。
体内空間にいるかのような空間体験が可能となる。

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×マン spring

全身バネで覆われたスーツ型作品。参加者は普段の身体動作を倍の筋力を使って行わなければならない。
例えばオセロの駒をひっくり返す動作においても背中・腕・手と普段の倍以上の負荷がかかることで平素無意識にしている身体動作を常に意識的にさせられる。

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×マン lens

手作りの樹脂レンズをつなぎ合わせた鎧型の作品。作者本人が一日中作品をまとって自身が彫刻作品となってパフォーマンスを行う。
見られる対象として存在する作品とはどういったことなのか、また自身の存在とはを思考し続ける。
「×マン」シリーズの最初期2000年に制作された作品。

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